慢性腎臓病(CKD)は年単位の時間をかけてゆっくりと腎臓の機能が低下する病態です。CKDが進行すると、体に溜まる余分な水分や電解質、老廃物を尿として体外へ排泄することができなくなり、人工透析や腎移植に至ります。わが国の潜在的なCKD患者さんの数はおよそ1330万人、実に20歳以上成人の8人に1人とも推計されており、近年、新たな国民病として広く知られるようになってきました。
CKDは高血圧や糖尿病などの生活習慣病と密接な関連性を有することが知られており、生活習慣病の発症や増悪を防ぐことによってCKDの進行が抑えられるだけでなく、心臓病や脳卒中など他の疾病に関する予防効果も期待できます。
本研究の目的は、生活習慣や疾病に関する大規模かつ詳細な疫学調査を通じて、CKDの病態悪化に関わる要因を科学的に解明し、あらたな治療・予防法の開発に役立つエビデンス(=根拠)を確立することです。
また、本研究を通じて明らかとなるCKDと生活習慣との関わりについては、当サイトや学会、誌上発表において随時その知見を公表し、社会に還元いたします。これらの活動を通じて、わが国の腎臓病診療の質を向上し、皆様方の健康維持・増進や疾病予防に貢献することも本研究の果たすべき重要な使命と考えています。
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