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研究2023.06.30

相原成志先生 (H22年)のスペルミジンと腎線維化に関する論文がCommunications Biologyに掲載されました!

相原成志先生 (H22年)のスペルミジンと腎線維化に関する論文がCommunications Biologyに掲載されました!

腎障害時にはアミノ酸代謝が活発になり、恒常性維持に寄与すると報告されています。今回、我々は、アルギナーゼ2ノックアウトマウス、尿細管間質線維化モデルを用いて、線維化の過程でアルギニン代謝産物,スペルミジンが増えることでNrf2経路が活性化し、線維化の進展に拮抗している可能性を示しました。Nrf2の誘導体としてバルドキソロンメチルが代表的ですが、エンドセリン経路の抑制作用が心不全という副作用に関与していると報告されています。今回、着目したスペルミジンはエンドセリン経路を抑制せずに、尿細管細胞において、オートファジーを活性化しNrf2経路を誘導し、抗炎症、抗線維化作用をもたらすことが分かりました。腎障害時には生理的にスペルミジンが増加することが分かりましたが、スペルミジンの合成を促進することやスペルミジン投与を行うことが慢性腎臓病の治療の糸口になるかもしれません。


Aihara S, Torisu K, Uchida Y, Imazu N, Nakano T, Kitazono T. Spermidine from arginine metabolism activates Nrf2 and inhibits kidney fibrosis. Commun Biol. 2023 Jun 28;6(1):676.

九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 腎臓研究室

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