研究内容

臨床研究

日本ネフローゼ症候群コホート研究

臨床研究について

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院腎・高血圧・脳血管内科では、現在ネフローゼ症候群の患者さんを対象として、予後に関する「臨床研究」を行っています。
 
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2029年3月31日までですが、2032年12月31日まで延長される予定です。

研究の目的や意義について

「日本ネフローゼ症候群コホート研究」は、検査結果や治療について調べる事によって、①どれくらい多くの患者さんの腎機能が実際に低下していくのか、②血圧や蛋白尿などの予後予測因子がどれくらい予後に関係しているのかを明らかにし、③腎機能が低下して透析に至る事を予防する治療戦略を開発する事を目的とした研究です。

2009 年本研究開始時には、2009年1月から2014年12月までの研究期間を予定していましたが、さらに長期の予後を調べるため追跡期間が2027年12月31日まで延長されます。研究終了予定日は 2032年12月31日です。

研究の対象者について

これまで「日本ネフローゼ症候群コホート研究」に参加していた患者さん(a)に加えて、2020年11月より下記(b)の患者さんを研究対象にします。
(a) 2009年1月〜2010年12月に九州大学病院で腎生検によって原発性ネフローゼ症候群と診断され、「日本ネフローゼ症候群コホート研究」に参加することに同意した患者さん
(b) 2009年1月〜2012年12月に九州大学病院で腎生検によって原発性ネフローゼ症候群と診断された患者さん(「日本ネフローゼ症候群コホート研究」に参加することに同意されなかった患者さんは含まれません)

研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

研究の方法について

本研究は、診療カルテに保管されている既存の日常診療情報および腎生検の腎病理組織標本を対象にした疫学研究です。2008年1月以降の各種血液・尿・画像検査データ、入退院歴、処方薬などの治療経過や治療に伴う合併症の発症の有無などの臨床情報を電子カルテから抽出し、個人情報を削除し、大学病院医療情報ネットワーク研究センター(UMIN)内および主幹施設である大阪大学REDCapのデータセンターに登録します。登録データおよび腎病理標本は、解析担当施設に提供されます。
 
※Research Electronic Data Capture (REDCap)とは、米国Vanderbilt大学が開発した、データ集積管理システムであり、IT専門家でなくとも簡単にWeb上でデータベースの構築と管理ができ、多施設のデータを簡単安全に集積できる臨床研究支援ツールであり、大阪大学の職員が主体となって行う研究に関しては、多施設共同研究として学外の方も利用することが可能となっています。
参考 HP http://www.dcc.med.osaka-u.ac.jp/redcap/index.html
 

個人情報の管理について

研究対象者の血液や病理組織、測定結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。

また、研究対象者の血液や病理組織、測定結果、カルテの情報は、研究対象者の個人情報を削除し、UMIN内および大阪大学REDCapのデータセンターに登録されます。データセンターへのデータの登録は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。データセンターに登録されたデータは、日本ネフローゼ症候群コホート研究の運営委員会で承認された解析担当者に提供されます。研究対象者の情報を上記データセンターに登録する際には、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。

また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野・教授・北園 孝成の責任の下、厳重な管理を行います。

ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

試料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野において同分野教授・北園 孝成の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

利益相反について

九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。

本研究に関する必要な経費は日本腎臓学会からの財源であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。


利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。

利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所(分野名等) 九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科
九州大学病院 腎疾患治療部
九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学
研究責任者 九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学  教授 北園孝成
研究分担者 九州大学病院 綜合コホートセンター   准教授 中野敏昭
九州大学大学院 包括的腎不全治療学 准教授 鳥巣久美子
九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科 助教  松隈祐太
九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科 医員  植木研次

共同研究組織
1. 西尾妙織・北海道大学第二内科
2. 中川直樹・旭川医科大学内科学講座循環器・腎臓内科学分野
3. 宮崎真理子・東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座腎・高血圧・内分泌分野
4. 今田恒夫・山形大学医学部附属病院腎臓膠原病内科
5. 風間順一郎・福島県立医科大学医学部腎臓高血圧内科学
6. 山縣邦弘・筑波大学医学医療系臨床医学域腎臓内科学
7. 廣村桂樹・群馬大学医学部附属病院腎臓・リウマチ内科
8. 長谷川元・埼玉医科大学総合医療センター腎・高血圧内科
9. 岡田浩一・埼玉医科大学腎臓内科
10. 伊藤孝史・帝京ちば総合医療センター第 3 内科
11. 柴田茂・帝京大学医学部内科
12. 星野純一・東京女子医科大学腎臓内科
13. 鈴木仁・順天堂大学腎臓内科
14. 黒木亜紀・昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門
15. 柴垣有吾・聖マリアンナ医科大学医学部・腎臓高血圧内科
16. 成田一衛・新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎・膠原病内科学
17. 藤本圭司・金沢医科大学医学部腎臓内科学
18. 清水美保・金沢大学医薬保健研究域医学系 腎臓・リウマチ膠原病内科学
19. 安田日出夫・浜松医科大学第一内科
20. 田中聡・静岡県立総合病院腎臓内科
21. 丸山彰一・名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科
22. 齋藤尚二・名古屋第二病院腎臓内科
23. 湯澤由紀夫・藤田医科大学医学部腎臓内科学
24. 塚本達雄・公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院腎臓内科
25. 猪阪善隆・大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
26. 新沢真紀・大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター
27. 津田昌宏・大阪公立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
28. 林晃正・大阪急性期・総合医療センター腎臓・高血圧内科
29. 楠康生・市立豊中病院腎臓内科
30. 後藤俊介・神戸大学大学院腎臓内科/腎・血液浄化センター
31. 鶴屋和彦・奈良県立医科大学腎臓内科学
32. 荒木信一・和歌山県立医科大学腎臓内科学
33. 神田武志・島根大学医学部附属病院・腎臓内科
34. 田邊克幸・岡山大学大学院医歯薬学総合研究腎・免疫・内分泌代謝内科学
35. 長洲一・川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
36. 脇野修・徳島大学大学院医歯薬学研究部腎臓内科学
37. 祖父江理・香川大学循環器・腎臓・脳卒中内科
38. 寺田典生・高知大学内分泌代謝腎臓内科
39. 深水圭・久留米大学医学部腎臓内科
40. 中野敏昭・九州大学大学院腎高血圧脳血管内科
41. 升谷耕介・福岡大学医学部腎臓・膠原病内科学
42. 黒木裕介・福岡東医療センター腎臓内科
43. 西野友哉・長崎大学病院腎臓内科
44. 菊池正雄・宮崎大学医学部医学科血液・血管先端医療学講座
45. 夏目やよい・医薬基盤・健康・栄養研究所難治性疾患研究・開発センター

なお金沢医療センターのデータは金沢大学に、大垣市民病院・岐阜県立多治見病院・中東遠総合医療センター・中部労災病院・増子記念病院・安城厚生病院・春日井市民病院・江南厚生病院・名古屋第 1 病院・海南病院・半田市立半田病院・一宮市民病院・市立四日市病院のデータは名古屋大学に集積され、当該データの提供を行う。

相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
 
事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院 腎・高血圧・脳血管内科 医員 植木研次
連絡先:〔TEL〕092-642-5843
      〔FAX〕092-642-5846
メールアドレス: ueki.kenji.982@m.kyushu-u.ac.jp

九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 腎臓研究室

〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 交通アクセス

TEL:092-642-5256 FAX:092-642-5271
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