研究内容

臨床研究

慢性血液透析患者のミネラル骨代謝異常に関するコホート研究の長期予後調査

はじめに

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学では、現在血液透析の患者さんを対象として、ミネラル骨代謝異常に関する「臨床研究」を行っています。
 
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成32年12月31日までです。
 

研究の目的や意義について

2008~2009年に九州大学大学院医学研究院病態機能内科学および協力施設で、「慢性血液透析患者のミネラル骨代謝異常に関するコホート調査」(2008年9月26日承認,許可番号20-31)が行われました。この研究は、血液透析患者さんの骨の強さに関連する検査項目(カルシウム、リン、副甲状腺ホルモンなど)が、患者さんの生命予後にいかに関わっているかを調べる研究です。今回の研究では、この時にご協力いただきました3560名の患者さんをさらに7年間追跡し、より長期的な患者さんの予後に関係する病態を解明することを目的とします。

研究の対象者について 

2008年に九州大学大学院医学研究院病態機能内科学および協力施設で行われた、「慢性血液透析患者のミネラル骨代謝異常に関するコホート調査」に同意された患者さん3560名を対象にします。
 
研究の対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。
九州大学大学院 病態機能内科学 大学院生 冷牟田浩人
連絡先:〔TEL〕092-642-5256
     〔FAX〕092-642-5271
 
 

研究の方法について

この研究を行う際は、カルテより下記の情報を取得します。調査した結果と取得した情報の関係性を分析し、血液透析患者さんの生命予後、心血管合併症に対する影響を明らかにします。

〔使用する患者情報〕
  患者調査項目:性,年齢,腎不全の原疾患,透析導入日,副甲状腺手術の既往,
         心疾患の既往,脳血管疾患の既往,骨折の既往,透析液Ca濃度,
         透析時間,ドライウェイト,開始時臥位血圧
         リン吸着薬およびビタミンD製剤の種類と投与量,降圧薬の種類と投与量,
         鉄剤投与の有無,エリスロポエチン投与量,indody®を用いた体成分分析

検査項目 
  血液検査:Hb, Hct, Alb, BUN, Cr, Ca, Pi, ALP, CRP, T-chol, intact PTHもしくはwhole PTH
       Al, ferritin, HbA1c, Cr index:測定している場合に記入.   
  画像検査:胸部レントゲン検査(心胸郭比).

〔今回調査する項目〕
  死亡の有無:死亡された患者さんに関しては死亡日、死因
        冠動脈疾患、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、
        閉塞性動脈硬化症の観察期間内の発症:発症の有無と発症日

個人情報の取扱いについて

対象者の血液検査結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した個人情報は、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野・北園孝成教授の責任の下、厳重な管理を行います。

試料や情報の保管等について

この研究において得られた対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野において同分野北園孝成教授の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
 
また、この研究で得られた対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、ご本人からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所(分野名等): 九州大学大学院医学研究院病態機能内科学分野
九州大学病院腎疾患治療部
研究責任者
九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 教授 北園孝成
研究分担者
九州大学大学院 包括的腎不全治療学 准教授 鶴屋和彦
九州大学大学院 病態機能内科学  講師 升谷耕介
九州大学大学院 病態機能内科学  助教 鳥巣久美子
九州大学大学院 病態機能内科学  助教 藤崎毅一郎
九州大学病院 臨床教育研修センター 助教 土本晃裕
九州大学大学院 病態機能内科学 大学院生 冷牟田浩人
九州大学大学院 病態機能内科学 大学院生 辻川浩明

【共同研究施設】
  有吉クリニック(院長 有吉孝)
  大里腎クリニック(院長 大里紳一郎)
  木山内科(院長 木山茂美)
  くまクリニック (院長 隈博政)
  後藤クリニック(院長 後藤宏一郎)
  恵光会原病院(院長 高村弘明)
  千鳥橋病院(腎臓内科部長 寺井明日香)
  こもたクリニック(院長 菰田哲夫)
  おおはし内科循環器科(院長 中島光一)
  重松クリニック(院長 重松勝)
  島松内科医院(院長 島松和正)
  信愛クリニック(院長 庄垣内良人)
  聖マリア病院(副院長 東治道)
  長尾病院(理事長 服部文忠)
  白十字病院(副院長 平野直史)
  はこざき公園内科(理事長 友岡卓)
  浜の町病院(腎臓内科部長 吉田鉄彦)
  三井島内科クリニック(院長 三井島千秋)
  原三信病院呉服町腎クリニック(院長 石田伊都子)
  福岡腎臓内科クリニック(院長 平方秀樹、室長 谷口正智)
  福岡赤十字病院(腎臓内科部長 満生浩司)
  宗像医師会病院(腎臓内科部長 池田裕史)
  本村内科(院長 本村謙一)
  やなせ内科(院長 玉井路加子)
  吉冨内科クリニック(院長 吉冨亮太)
  麻生飯塚病院(腎臓内科部長 武田一人)
  小倉第一病院(院長 中村秀敏)
  済生会八幡総合病院(腎センター部長 安永親生)
  製鉄八幡記念病院(腎臓内科部長 柳田太平)・
  門司港腎クリニック(院長 田中秀欣)
  医療法人至誠会 なゆたの森病院(理事長 山口龍太郎)
  白石共立病院(院長 沖田信光)
  富士大和温泉病院(腎臓内科部長 坂本桜)
  前田病院(理事長 前田利朗)
  牧野医院(院長 牧野順一)

相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
 
事務局
(相談窓口)
九州大学大学院 病態機能内科学 大学院生 冷牟田浩人
連絡先:〔TEL〕092-642-5256
    〔FAX〕092-642-5271
メールアドレス:hymt1106@kcu.med.kyushu-u.ac.jp

九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学 腎臓研究室

〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 交通アクセス

TEL:092-642-5256 FAX:092-642-5271
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